歯並びについて

現代人の顎が小さくなっていることも原因の一つです。間違った噛み合わせの原因を患者個人ごとの場合で考えてみると、簡単な問題ではありませんが、まず子供の顔に見える親からの遺伝的な影響があります。例えば親が受け口の場合、子供がお父さんに似ているか、お母さんのようになっているかで、受け口の傾向が現れるといえるでしょう。これらの遺伝子との関係を言うと、ヨーロツパの名門バプスブルグ家の、何世代にもわたって突き出た下の顎の形態 (下顎前突出) を見ることができます。また生れたときの歯の数が十分ではない先天性の不足や、歯の奇形、遺伝の影響が考えられます。

生まれた環境が原因の一つとして歯の顎のサイズがあります。歯に対して顎が大きい場合には歯と歯の聞に隙間が現れてすきっ歯になり、逆に顎が小さく歯がきれいに並ばないと、凸凹した歯並びになります。

ポテトサラダなどに代表される柔らかい料理 (軟式) が増加した結果、最近では子供たちの顎が十分に発達せずに小さくなっています。

その一方で歯は大きくなる傾向にあり、小さい顎に大きい歯が並ぶためには、十分なスペースが、子供の歯並びに必要です。このことは今、多くの歯科医師が心配する問題であるため、かむ回数を増やす食事が必要です。虫歯、特に乳歯の虫歯も歯並びに影響を与えます。意外にも知られていませんが、乳歯は永久的な歯が正しい位置に並ぶための案内係です。それが重度の虫歯になっていることを放置したり、抜歯し、隙間が生じると、永久的な歯が正しい位置に並ばないだけではなく、斜めに育ち、ずれて成長することがあります。歯並びが悪くなるだけでなく、噛み合わせにも影響が出てしまいます。どちらにしても、自分の力で歯を治すことはできません。乳歯の頃から歯を磨く習慣を身につけ早期に虫歯を治療し、永久歯が生えてきたときに、悪い歯並びにしない注意が必要です。

アレルギー性鼻炎や扁桃肥大などで、口呼吸をするために発生すると考えられる不正佼合もあります。

いつも口を開いて、歯を唇に抑えるチカラが弱くなり、舌の位置が変更され、これをきっかけに筋肉のバランスがくずれ、すきっ歯や出っ歯が発生することになります。

生活を送るときの癖は、例えば幼児期の指しゃぶりを長く続けると、指で押す力が歯を移動させて、出っ歯が発生することになります。

前歯で下の唇と舌をかむ癖、ハンカチをかむ癖、片方だけで頬づえをつく習慣を続けると、下の顎をゆがめることができるために、お父さんとお母さんが注意することをお勧めします。