歯を動かす期間と安定させる期間

矯正デバイスをどの程度の期間装着するかどうかはケースバイケースです。「スタンダードはない」ということは歯科医の本音ですが、あえて提示してみると、永久歯の全体を矯正すると、本格的な治療に使用される複数のブラケット装置を身に着けている期間は23年ということである。年齢が三十を超えて治療をしている患者の場合は、多分3年はかかります。また受け口などの成長を見て、先に治療し、適切な時期に本格的な治療をする場合、時間がもっとかかる場合があります。

では本格的な治療を無事終了し、矯正装置の分離の後、補正装置を装着します。患者からは、良くその理由を確認します、私たち矯正歯科医が考える補正装置としての役割は次の2つです。

(1)移動した歯はまだ不安定な状態で、放っておくと、治療する前の状態に帰ります。それを動かないように固定させる役割。(2)周囲の組織が新しい環境へなじむために必要な時間で、歯を安定させる。

少し補足すると、治療前の環境では、歯はそれなりに居心地よかったです。特にねじれ歯が、根の周りのゴム繊維で引っ張られるように、少しずつ戻ろうとします。このような場合は、調整装置、または歯の裏側にワイヤーを接着剤で接着し、歯が安定するまで押したままにします。

また上下の顎を固定する、ゴムのマウスピースのような補正装置を使用することがあります。

補正装置を使用する年数は、本格的な治療をした場合は1年から3年です。ということは、矯正してきれいに並んだ歯は、食事で使用することですから、少しずつ摩耗して移動するか、ずれます。虫歯によって、歯がなくなったりすると、歯周病や加齢現象によって骨の支持が弱くなり、動かすことができます。従って調整期間の終了後も安心のために毎週1回、夜だけでも装置をつける習慣が好ましいです。