適切な歯科診断

適切な診断を行うために、十分な精密検査を実施します。初期診療で一見して治療方針を決定できるほど、不正岐合はそう単純ではありません。適切な治療方針を立てて、使用する矯正装置については、患者個人の噛み合わせの状況を十分にテストし、データを分析し、診断して決定する必要があります。治療方針は、実際に歯科医ごとに多少の違いはあります。

まずどこを治療したいと思うか、何のために来院されているか、通院の可否などを確認します。指しゃぶり、舌の癖、口呼吸、アレルギー、扁桃腺肥大などの有無を確認します。両親や兄弟に同じような症状があるかを確認します。

不正岐合の状態、虫歯や歯周病の有無、歯磨きの仕方などを確認します。

一般に3つのレントゲン写真を撮影します。

頭部エックス線写真。外見からはわからないが、頭部の顎の位置とサイズ、上顎と下顎の位置関係、歯と顎の関係、歯の傾斜の状態などを確認します。

パノラマレントゲン写真。全体の歯の部分を含んでいる写真。まだ生えていない歯も含めて、歯と歯槽骨、顎関節の状態などを検査します。

歯科レントゲン写真。部分的に、より正確に確認します。

口の形を撮影します。治療が完了したら、これの変化 (効果) を確認できます。

石膏の歯並びのモデルを作成し、不正岐合の状態を立体的に確認します。

顎関節の形態や位置に問題があると考えられる場合には、顎関節などに放射線撮影を使用します。また必要な場合には、顎を別の場所に移動したときに、どのように動くか、といった顎の機能を調べます。

顎の筋肉の動きをチェックするには、筋電図を利用することもあります。

以上のような分析、診断し、どのように治療をするか、治療方針を決定します。歯を抜く必要があるかどうか、この時点で知ることができます。

治療方針によって、患者さんに治療上のプロセス、必要な期間、料金の簡単な説明が行われます。