顔とあごのかたちのバランス

歯科医の観点から、良い歯並びと言えばそれは形態 (見た目) と機能の調和が重要な要素であると思う。顔や顎の形と歯のバランスを観察しましょう。

顔を正面から見たときに、顎が左右にずれていないか、口を閉じると、寿司の形のしわがないか、が1番目のポイントです。縦から見たときの上下の顎が、顕著に出ていないかが、2番目のポイントです。口もとの形状がきれいであるかを判断する基準として、Eラインという言葉が使用されることをご存知ですか。Eラインは、上の唇と下の唇のラインに対してどの位置にあるか、を表す一種の指標です。測定したところによると、大人の日本人は、この E ラインを上の唇の後ろ、下の唇がほぼ直線上にあるときに美しいとされています。なお、子供の唇は Eラインの前にあります。治療を通じて、様々な「悪い噛み合わせ、および悪い歯並び」に接する機会がありますが、不正な噛み合わせとなる症状は様々なタイプに分類されています。

八重歯・乱ぐい歯 (叢生) ・・・歯が凸凹に成長する歯並びで、例えば小さい顎に大きな歯が並んでしまう結果、発生します。また、多くの場合、八重歯を伴います。

八重歯は今まで日本的な感じでは「かわいい」と呼ばれてきましたが、米国ではドラキユラに例えられる歯です。国際化が急速に進む現在の日本でも、乱ぐい歯とは異なり、歯が非常に小さい、歯が不足している、歯に比較すると顎が大きい場合などが原因で、歯と歯の聞に隙間のある歯並びになります。

出っ歯 (上顎前突) ・・・上の前歯と上顎が前に突き出ている噛み合わせで、日本に多くみられる不正岐合です。